コラム

100年生きる時代。内的キャリアの重要性

「2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想される」

この衝撃的な予想は、ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授が自著『LIFE SHIFT』で記したものです。
他にも、同書の中で「人生100年時代」が提言されました。

「人間五十年 下天の内をくらぶれば 夢幻の如くなり」

幸若舞(敦盛)の一節ですが、織田信長が好んで演じたことで知られています。皆さまはこの言葉を、どのように解釈されていますか?「人生50年」でしょうか。実は、その解釈は間違っているそうなのです。

「人の世の50年間は天界の時間と比べると夢幻のように儚いものだ」

これが正しい解釈だと言われています。
織田信長が享年49歳で亡くなったことで、「人生50年」と誤った解釈をする人が多かったのかもしれません。

さて「人生100年時代」。ここで一つ言えることは、これまでのロールモデルでは生き抜けないということです。

リンダ・グラットン教授は、「人生100年時代」を、これまでのような「教育」「仕事」「引退」という年齢により一斉に変わる「3ステージ」から「マルチステージ」に変わるとされています。
「マルチステージ」では現在の3つのステージに加えて、新たに3つのステージが追加されます。

1)エクスプローラー
旅をして経験を積み、社会の見聞を広める

2)インディペンデント・プロデューサー
自分で職を生み出す

3)ポートフォリオ・ワーカー
複数の活動に同時に関わる

そして各々が必要なタイミングで各ステージを移行するようになるため、今以上に多様なライフスタイル・ワークスタイルが出てくると考えられます。
加えて、定年が今より延びると予想されます。
だからこそ重要になってくること。それは、やりがい・興味といった「内的キャリア」の見極めではないでしょうか。
自身の「内的キャリア」を明確化することで、各ステージで「やりがい」を見つけて、より充実させた人生を送ることができるのです。

一人で「内的キャリア」を明確にすることは容易ではありませんが効果的な方法はあります。
それは『キャリアカウンセリング』。
『キャリアカウンセリング』とは、個人にとって望ましい職業選択やキャリア開発を対話形式で支援するプロセスで、「内的キャリア」の明確化をサポートします。自身のことを改めて人に話すことが重要なのです。
自分が大事にしていることを明確にし、それを軸としてワークやライフのキャリアを広げていく。
ご自身にも部下の方にも必要になってくることだと思います。

※キャリアには「外的キャリア」と「内的キャリア」の2種類が定義されています

  • 外的キャリア:職業・職位・給料といった他人からみえるもの
  • 内的キャリア:やりがい・興味といった自分だけが見えているもの

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