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マイクロラーニングとは? 導入するメリットデメリット

新型コロナウイルスの影響でオフィス勤務が難しくなった結果、従業員の研修などを対面で一律に実施することが難しくなりました。そこで注目を集めているのが、eラーニングの一種である「マイクロラーニング」という新しい学習法です。本記事では、マイクロラーニングの概要やそのメリット・デメリットを解説します。

マイクロラーニングとは

マイクロラーニングとは、一回当たりの学習時間を短く設定する学習方法です。一般にeラーニングの一種とみなされますが、長時間の学習も含む通常のeラーニングと違って、マイクロラーニングは一回当たりの学習時間が1分から10分程度で完結するようにコンテンツが設定されているため、長い拘束時間が発生しません。

学習者はPCのほか、タブレットやスマートフォンなどを用いて教材コンテンツにアクセスし、学習を適宜進めることになります。つまり学習者は、時間や場所に関係なく目的の知識やスキルを学ぶことができます。企業におけるマイクロラーニングの例としては、新入社員の早期離職を防ぐためのオンボーディング、コンプライアンス研修、スキル研修などが挙げられます。マイクロラーニングの教材はテキストや画像などを用いた短い動画で構成されているのが一般的です。

マイクロラーニングが広がる背景 コロナ禍も影響

現在、従業員の教育方法としてマイクロラーニングを取り入れる企業が増えています。マイクロラーニングが広がっている背景のひとつに、スマートフォンの普及が挙げられます。現代では多くの人がスマートフォンを所有し、インターネットに接続可能です。電波さえ通じればいつでもどこでもネットに接続できるスマートフォンはマイクロラーニングとの相性が抜群であり、マイクロラーニングの利便性をさらに底上げしています。

また、働き方の多様化もマイクロラーニングの普及を大きく後押ししています。コロナ禍によってテレワークが普及したことで、働く時間や場所が一律ではなくなり、一ヵ所での集合研修が実施しづらくなったことは大きなポイントです。

これによって企業は従業員の教育研修について、各従業員が自分の都合に合わせて柔軟に学習できる方法を導入する必要に迫られることになり、マイクロラーニングの導入につながっています。さらに、副業の推進やフリーランスなどの非正規雇用者が増加したことによって、自らスキルアップを望む人が増えました。このように生涯学習の必要性が高まったりしていることも、マイクロラーニングが広がる一因になっています。

マイクロラーニングのメリット

マイクロラーニングには、通常の学習方法と比較して次のようなメリットがあります。

学習へのハードルが低い

マイクロラーニングがもつ最大のメリットは、学習へのハードルが低いことです。マイクロラーニングは、通勤電車や昼休み、入浴時などの隙間時間を利用して気軽に取り入れられます。こうしたマイクロラーニングの特徴は、多忙でなかなか学習時間がとれない現代人に非常に適しているといえます。人間は何度も繰り返すことで物事を習慣化していくものなので、マイクロラーニングには学習を習慣づけることで継続しやすくする効果もあります。

集中して取り組める


一回当たりの学習に集中力を保って取り組めることも特徴の一つです。一般に人間の集中力は15分周期でサイクルすると言われています。そして、最長でも90分程度が持続する限界だと考えられています。一般的な大学の講義が90分となっているのもそのためです。つまり、一回当たりの学習時間を数時間に設定すると、学習効率は時間と共に著しく減少していくことになるのです。

その点、1分から10分程度で学習が一区切りすることを前提にコンテンツを構成しているマイクロラーニングならば、最初から最後まで集中力を持続させて1ユニット分の内容を学べます。このように、マイクロラーニングは科学的に見ても学習効果の高い方法であると言えます。

学習内容の定着にも効果的

マイクロラーニングは、学習内容の定着にも効果的です。人間の記憶は、同じことを短期間で何度も繰り返すことにより長期記憶として定着していきます。この点、一回当たりの学習を短時間で済ませられるマイクロラーニングは繰り返しの復習を行いやすく、学習したことが身に付きやすいと言えます。

教材を作成しやすい

マイクロラーニングの導入は教材の制作側にとってもメリットがあります。マイクロラーニングは個々のコンパクトな教材の組み合わせによって構成されるので、自然と教材1本あたりの制作時間も短くなり、制作費を抑えられます。このメリットは、教材コンテンツの修正・更新を柔軟にできるという長所にもつながります。

利用するソフトにもよりますが、マイクロラーニングではテキストのほか、写真やイラストを用いた画像、短い動画やオーディオなどを用いて、多種多様な教材を作成できます。また、クイズ形式やゲーム形式での設問も可能な場合もあります。学習者の興味を引いて学習効率を高めるように工夫を凝らすことが可能です。

マイクロラーニングのデメリット

上記のように多くのメリットがあるマイクロラーニングですが、完全にデメリットがないとは言えません。マイクロラーニングは、シンプルな情報を提供するには最適ですが、長時間の学習が必要な複雑で難しいテーマを学ぶには最適ではありません。
もし、マイクロラーニングで難解なテーマを学ぶとしたら、全体のテーマを単純な要素ごとに分解する必要があります。そのため、その後で知識を体系化するには学習者側の能力が問われることになります。とはいえ、マイクロラーニングも難解なテーマの理解にまったく役立たないわけではなく、要点の整理に活用することは可能です。
マイクロラーニングの長所短所の両方を理解し、対面でのトレーニングなど、他の学習方法と組み合わせて運用していくことが大切です。

マイクロラーニングの例

マイクロラーニング形式の学習コンテンツの一例として、NTT HumanEXが提供する「デジタルeラーニング」をご紹介します。このeラーニングサービスでは、「データサイエンス」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、「デジタルリテラシー」などの基礎知識について学べます。

近年、AIやIoT、ビッグデータなどICT技術の活用がビジネスにおいて重視されています。これらを独学で勉強することはなかなか難しいですが、「デジタルeラーニング」を活用すれば、隙間時間を活用して効率的に最新技術を学ぶことができます。

豊富な経験と実績を誇る講師がスライドと音声を用いてわかりやすく解説していますので、受講後はデータサイエンス分野の中級者以上の知識とスキルを取得することが可能です。

参考: 「デジタルeラーニング」

まとめ

マイクロラーニングとは、短時間でコンパクトに学ぶ学習方法です。マイクロラーニングならば長い学習時間が発生せず、スマートフォンからでもアクセスできるので、学習者は隙間時間を利用して効率的に学習を進めることが可能です。テレワークにおける社員教育の方法を考えている企業の方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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