新入社員研修
~その目的とは。研修構成や組立例・内製か外注かを考察
多くの企業が導入している「新入社員研修」。毎年実施するからこそ、例年の実施内容で良いのか変更した方が良いのか、悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私たちはNTTグループをはじめ、様々な企業様へ新入社員研修を実施しており、その目的や組立例など特集としてまとめました。今後の検討にぜひご活用下さい。
新入社員研修のサービスページ ~早期戦力化への構成とカリキュラム
https://www.ntthumanex.co.jp/service/newemployee-training/
1.「新入社員研修」の目的とは何か
意識醸成
1.学生から社会人への意識変革:自覚と責任
多くが与えられる環境から、自ら考動し掴む環境へのマインド醸成が重要です。学生時代は責任を持たされる事は少なく、付き合う人間関係も自分で選択する事が可能な、自由度のある生活を送ってきた彼らに、ビジネスパーソンとして、仕事や社会への責任・好き嫌いの選択肢はない幅広い人との繋がりが急に求められる事になります。また、時間管理やタスク管理など、全ての物事が自分だけでは動かせない不自由さにも直面するでしょう。そういった環境変化にも前向きに対応できるよう、学生から社会人へと意識を切り替えるタイミングが新入社員研修であり、社会人としての自覚と責任を持つ意識醸成の要素が必要となります。
2.会社や職場の理解:自らの役割認識
就職活動で会社のことを把握したつもりでも、それは表層的な一旦でしかありません。企業活動・事業運営の実態を知ること、職場のリアルな状況を知ることで、業務配属の心構えが整います。新入社員研修の中で、理念やビジョンの理解浸透や事業内容と体制・サービスや部門単位の雰囲気を知ることで、社員として自らの役割を認識します。
関係構築
3.同期との繋がり:帰属意識のスタート
入社当時は知り合いが居ない不安があるのも事実です。最初の新入社員研修で同期と「最初の仲間」を作ることで帰属意識のスタートとなるでしょう。また、入社後の相談や情報交換相手としても大事な存在となります。配属後は同期と離れる場合も多く、この新入社員研修で同期と関係作りしてもらうことも大事な目的です。
4.先輩社員との繋がり:風土の理解・配属への期待
入社までに出会う社員は人事部門や経営層など限られています。もちろん採用活動時に先輩社員として出会う事はありますが、企業側の選定社員や大学OBなど限られています。実際に同じ職場、あるいは違う職場であっても先輩社員と交わることで企業風土に触れる機会となり、親密さや配属への期待を高める事になります。
能力付与
5.社会人の知識習得:コンプライアンスの動機付け
企業人としてコンプライアンスの遵守は重要で特に今はリスクマネジメントが言われている今、情報セキュリティなどの意識付けや対策知識の習得は必須と言えるでしょう。またメンタルヘルス対策や企業の取組みなども伝える事で、安心感を醸成することができます。
6.基本的なビジネススキルの習得:ポータプルスキル
ビジネスパーソンとして、電話対応や名刺の受け渡しといった基本的なビジネスマナーに加えて、コミュニケーションスキル・コンセプチュアルスキルといった仕事の普遍スキルの第一歩を習得する事も、新入社員研修に求められることです。
7.専門的な業務スキルの習得:テクニカルスキル
営業職や技術職・開発職・事務職など、職種ごとに必要となる基礎スキルの習得も必要となります。以前はジェネラリスト型社員育成が主であった日本では基礎スキルとして全員受講の傾向にありましたが、ジョブ型人事制度やスペシャリスト人材育成が採択される現在は、配属先による選択受講の場合もあります。会社が新入社員をどのような人材に育てたいのか、それによって全員か配属先毎かを検討します。
2.目的に沿った構成を考える~具体的な組立て例
ここまでみてきた目的に則って、研修の構成を考えてみましょう。
以下は一般的なセッション構成(会社理解・ビジネス基礎・業務スキル)ですが、セッションに対応する目的を意識する事で、何を実施するか、その内容がみえてきます。
改めて今のセッションがどういった目的か、それを果たす内容か、見直してみてはいかがでしょうか。
3.研修形態の選択~効果・予算・運営
研修形態は、コロナ禍以降の在宅勤務促進により多岐に渡ります。今は組合わせ=ハイブリッド形式がトレンドであり、企業の効果的です。
主な形態とポイント
e-ラーニング
講義や動画など形式は様々あるが画面閲覧は飽きやすい・集中に掛けやすいため、いかに「飽きさせず見せる作り」になっていることが重要です。1本あたり5~10分の短時間構成・画面の切り替え(同じ画面だけではない)・インパクトのある映像や動画の活用など、継続集中させる工夫が求められます。
対面の集合研修:講義・グループワーク・ロールプレイング
オフラインで室内に集まり研修を行う事で、グループワークは講師が介入でき品質を高めやすい一方、講師のフィードバックスキルによるところもあり、また、グループワークの演習内容は講師自前も多く、講師の目利きが重要となります。
オンラインの集合研修:講義・グループワーク・ロールプレイング
講義は講師の目が届きづらいため、受講者へ都度問いかけるなど工夫が必要です。また、グループワークは全員での議論のし辛さもあり、対面の方が向いているといえるでしょう。ロールプレイングは、実施自体は一対一なのでオンラインでも可能ですが講師の目が届かないため、講師数を増やしフィードバック強化を図るなど工夫が必要です。
研修形態の組立て例
全て対面かオンラインとの組み合わせにするかは、①会社の勤務形態(オフィスワーク・テレワークのどちらが主か)②予算(e-ラーニングは安価対面は費用が上がる傾向)③運営稼働面(受講者数による取り纏め等の稼働)で検討しますが、以下はハイブリッド型研修の一例です。
インプットはe-ラーニングで個人で事前学習し、対面集合ではアウトプット中心=対面ならではの質の向上を行う組立てです。先述したように、ベストな形態は会社ごとに違いますが一例としてご参考下さい。
4.新入社員研修は、内製か外部に依頼するか
新入社員の実施は、社内で行う内製か研修会社・外部講師へ依頼するか、どちらが良いという結論はありませんが、内容によって組合せることを推奨します。
- 会社説明はもちろん内製になるでしょう。
- ビジネスマナーやPDCA・コミュニケーションスキルやコンセプチュアルスキルといったビジネス基礎は、長けている社員による内製でも可能ですが、グループワークやロールプレイングといった演習方法は講師が保有する独自コンテンツも多いため、会社が育てたい社員像や、現状の課題感を解決する演習コンテンツやワークを取り入れることができます。
- 業務スキルのうち、会社独自の技術・ノウハウの習得や経理など一般知識を習得させるなら内製が可能になりますが、ノウハウ化されづらい営業や教えづらい知識などは専門講師へ依頼することで、体系化された内容・習熟度が高まる効果が期待できます。
第2章の研修構成で内製・外注を振り分けると以下のようになります。
第3章の研修形態同様、内製か外部依頼かは、効果や予算・運営面で勘案することになりますが、費用抑制のために全て内製で行い、結果、研修の質低下・習熟度が悪く研修そのものが上手く行かなかった、という事もあります。
各研修会社などからカリキュラム・演習内容や費用感など情報収集し、会社にとって費用を抑えながらより効果的な実施方法をご検討頂ければと思います。
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