コラム

他社との交流で得られるメリットとその可能性とは?

ひところ流行した異業種交流会は、個人的な人脈の拡大を目当てに行われるものでした。パーティーのような雰囲気でコミュニケーションできるため、会社の仕事を通じた出会いとは一味も二味も違う体験となります。そこから仕事に役立つアイデアや人脈が生まれることも……。

そうした背景を経て、他社との交流会が広まりつつあります。個人がプライベートな人脈を広げるためではなく、企業が社員の能力向上を目的に行うのです。人材育成の一環として取り入れたい他社交流について、メリットや必要性、今後の動向に着目してお伝えします。

他社との交流で生まれるメリットとは?

会社でいつも通り業務をするだけでは、同じ職場、自分と同じ業務に携わる人としか、知り合いになるチャンスがありません。そうした環境で働き続けると、外部からの刺激が著しく少ない閉鎖的な状態になりがちです。そこから抜け出すために、自ら刺激を求めてさまざまな交流会に参加する人もいるでしょう。

他社交流で生まれるメリットは、普段縁のない人や知識と出会える点です。そこから、新たなビジネスチャンスや事業連携の機会が得られるなど、仕事上のメリットが生まれる可能性も大。さらに、積極的に他者とコミュニケーションするため、精神的にもリフレッシュします。日々同じ業務の繰り返しで停滞していた気分も変わるでしょう。

なぜいま、他社との交流が必要なのか

多様性が求められる社会になってきたいま、自社の企業文化だけになじんだ人材では対応しきれません。さまざまな環境や立場の人に寄り添い、問題解決する力が必要な時代だからです。想像力や発想力など、ソフト面の業務に役立つような能力が求められています。

他社の人たちとの交流で刺激を受けたり学んだりすることで、自社の活動だけでは体験できない世界を知ることができます。そこからイメージを広げ、これまでと違った視点で物事を捉え、考えることができるようになれば、日々の仕事にも良い影響が出るでしょう。多様性を知ることは、社会に求められる人材の育成に役立ちます。

他社との交流は今後どのように発展するか

単発のイベントではなくもう一歩進んで、「他社で一定期間就業」という交流を取り入れる企業もあります。インターンシップや出向の形をとることになりますが、これも他社交流のひとつです。より深い理解を得られるので、他社交流で生まれるメリットが最大限に活かされるでしょう。

自社ではなく他社で行うインターンシップ

学生が、社会人や業務の体験をするのがインターンシップ。半年前後のごく短期間が一般的で、就職活動の一環として学生が自主的に取り組むケースと、企業が内定者に取り組ませるケースがあります。この内定後のインターンシップを、自社でなく他社で実施する企業も出てきているようです。学生のうちに体験した他社業務は、自社で就業してからも役立つでしょう。その体験は、広い視野で仕事に取り組むための助けになります。

異業種の企業に出向させる意味は?

これまでの出向は、ほとんどの場合、関連企業や同業他社など、本来の業務に何らかの関係があるところを選んでいました。最近では、出向先の業種にはこだわらないと考える企業も出てきています。狙いは、「自社では体験しえない業務を出向で体験させ、多様性のある人材の育成に役立てる」ことです。

他社との交流で社会に貢献できる人材を育てる

企業の人事部で企画される人材育成には、さまざまな目的とスタイルがあるでしょう。他社交流を自社の社員に行わせることで、広い視野を持つ人材の育成に役立ちます。自社のみにとどまらず、社会に貢献できる人材に欠かせない多様性を、他社交流で育みませんか?

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