アンコンシャス・バイアスとは?職場にもたらす影響
- シニアはパソコンが苦手
- 車の運転は男性の方が得意
- 短時間勤務の社員には大きな案件を任せては悪い
これを読んで、「そう思う」と感じる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
『アンコンシャス・バイアス』
日本語で「無意識の偏見」や「無意識の思い込み」と訳される、
自分自身が気付いていない、ものの見方や捉え方のゆがみ・偏りを表します。
最初に挙げた3つは、その典型的な例です。
実際には、パソコンが得意なシニアもいれば、運転が得意な女性もいるのですが、無意識的にこのように判断(思い込み)してしまう傾向があります。
アンコンシャス・バイアスとは、瞬間的かつ無意識的に生じる知的連想プロセスの一種であり、過去の経験や習慣、周囲の環境などから身につくものと言われています。
人が大量の情報を瞬時に処理・判断するために有用なプロセスではありますが、 自分のバイアス傾向を「自覚」していないと、事実やデータに基づかない「思い込み」により、意思決定や判断にゆがみを与えてしまう恐れがあります。
特にビジネスにおいては、ダイバーシティ推進の妨げや、イノベーションの幅を狭めるなど、今後の企業成長を阻害しかねない様々な影響が懸念されています。
たとえば、本記事の冒頭で、"短時間勤務の社員には大きな案件を任せては悪い"という例を挙げました。
この文章をみて、皆さんは女性を思い浮かべましたか?それとも男性でしょうか?短時間勤務と聞くと、今はまだ多くの方が女性社員を思い浮かべる傾向にあるようです。
まずは、このようなバイアスが存在することを『認識・自覚』することがアンコンシャス・バイアスの影響を取り除く、第一歩となります。
また、ビジネスにおいてこのアンコンシャス・バイアスの影響を減らすために。
例えば、グーグルでは、意思決定のプロセスから偏見をなくすために、
以下のような仕組みを取り入れているそうです。
- 成功基準を明確にする
- 成功についての理解を共有する
- ディスカッションの機会を持つ
- 意思決定の範囲をあらかじめ決めておく
(出典)https://rework.withgoogle.com/jp/guides/unbiasing-use-structure-and-criteria/#introduction
これを採用面談や昇格面談の場面で考えてみると。評価基準が不明確なままでは、性差や年齢、第一印象等に対するバイアスにより不公平な面談が行われてしまい、最適な人材を採用・任用できなくなる可能があります。
これを回避するためには、募集しているポジションで、どのようなスキルや素養が必要なのか具体化し、評価基準や質問内容を統一しておくことが大切です。
そして評価基準をもとに、評価根拠を明確化し、複数人で議論する。
このように、組織における公平性をできるだけ担保することがアンコンシャス・バイアスによる影響を取り除く有効な手段の一つとなります。
無意識を自覚し、コントロールすることは難しいものです。
ゆえに、まずはアンコンシャス・バイアスの知識を身に付け、自分は大丈夫、という思い込みを捨てること。
そのうえで、どうすればバイアスの影響を少なくできるのか考えることが重要なのです。